フジロックに行ったことについて

f:id:grgl:20210829230308j:plain

いろんな人が発信しているのでいまさらではあるが、自分の考えをまとめておこうかと。

自分のこと

まずは自分のフジロック歴について話すと、10年ほど連続で3日間参加している。
周りには初期からずっとという人もいるのだが、気づけばすっかり常連になっていた。
毎年行くのが恒例行事で、行かないという選択肢がないくらい私の人生にはフジロックがあってはならないものであるということを前提に聞いて欲しい。

今年の開催に関しても、私はダメだと言われても自分の欲望に勝てない人間で、だからこそフジロックに行ってしまった。
ワクチンも2回接種し、リモートワークで人との接触は極力抑え、自分で出来る最善は尽くした。ただ、自分なりの最善には個人差があるし、油断もある。仮にワクチンが打ててなかったとしても参加していただろう。それくらいフジロックがなくてはならないものであるから。

現地の雰囲気

自分のできる最善を尽くすというのは、会場内の人の大多数はそうであったはず。
どこまでワクチン接種済みの人が参加しているのかは分からないけど、開催事前でまだ若年層へのワクチン接種は予約を開始したかどうかくらいの時期だったし、データも取られていないので実際のところは不明。

ただ、みんな声を上げず、距離を空け、黙食を守り、私が見る限りルールを破ってマナー違反をする人はいなかった。マスクもほとんど不織布の人だったし、スタッフもかなりしっかりと監視していたし、会場内も今までのフジロックと比べ物にならないくらい綺麗だった。

今までフジロックに行ったことがある人があの場にいたら驚くほど人が少なくてスカスカなことに私は不安になった。

本当にこれで利益になるのかと。

今年あの場にいた人の多くはフジロックを愛し、失くしたくない人だったと思う。
そう思わせるような人たちばかりだった。
越後湯沢の駅でテイクアウトのお弁当を買っている時も、お店の中では黙食している人が多かったように思う。苗場や新潟の人にも迷惑をかけたくないという気持ちはフジロックを愛する気持ちと同じくらいある。

なのであえてここではなんでみんなそんなにフジロックが好きなのかをお伝えしていきたい

田舎で音楽を聞く心地よさ

フジロックは苗場スキー場の広大な土地で開催される
最寄りの駅は越後湯沢でシャトルバスで30分ほど揺られて到着するような山奥にあって、都市フェスなどに慣れている人からするとアクセスはいいとは言えない。
新幹線でやってきてバス、もしくは車のどちらかになる。
宿は周辺のホテルや民宿か、キャンプ。車中泊の人もいるかもしれない。
リゾートやおしゃれな観光地というものとはちょっと違う。THE田舎。
フジロックのテーマ曲でもある忌野清志郎の「田舎へ行こう」がぴったりの自然いっぱいの環境なのだ。

ここ最近はインフラ整備が整いまくって歩きやすく以前よりずっとハードルが下がっているが
いわゆるアウトドアスタイルでいるのが標準スタイル
朝から晩まで開催されているので、昼間は暑くて夜は涼しくなるし、山の天気は変わりやすいので風通しのいい素材かつ防水素材でいるのが最適。
土や砂利や石のあるところを歩くうえに、奥地まで歩くとなると、しっかりした靴の方が疲れにくい。
我が家は服も靴も小物も基本ゴアテックで固められた装備でいる。ものすごい雨になった時はポンチョや長靴に変えることもある。

じゃあなんでそんなことをしてまでフジロックに行くのかというと、大自然の中で音楽を聞くという体験がめちゃくちゃ気持ちいいから
暑いとはいえ、山奥で湿度が低く、カラッとしていて日陰にさえ入ってしまえばめちゃくちゃ気持ちいい。
椅子の持ち込みがOKなので、後方エリアで椅子に座りながら音楽を聴いてのんびりするのが最高。そこにお酒があると尚のこと最高だったりする。
自分の好きなアーティストの時にはステージ前方に行って近くでアーティストを見ることもできるし、自分の好きな見方ができるので自由度が高い。
私は特にこのお酒を飲みながら音楽を聞き、なんならそのままウトウトと寝るのが最高の時間だと思っている。
人によってはみんなでワイワイして移動して、同じ体験を共有する楽しさだったり、1人で好きなように楽しむなど様々な楽しみ方があるのも魅力だと思う。
不便さの中でどう楽しむかが良い。多分人によって相性はあると思うが、キャンプが好きな人は絶対楽しい。

お目当てのアーティストだけじゃなく、たまたま聞いたアーティストが良かったりして、知らない音楽に出会えるのもすごく楽しい
自分の好きな音楽の幅が広がったのもフジロックのおかげだと思う
だからこそ、フジロックをなくしたくなかったし、また海外アーティストを呼んで一晩中音楽漬けのフジロックに戻って欲しいと思っている

今年聞いたアーティストについて

今年の開催は邦楽アーティストのみに絞り、禁酒、開催時間の縮小といろいろといつもと異なることが多くて、本来のフジロックとは違うかたちではあったものの、大自然で音楽を聞く環境や普段なら聞かないジャンルの音楽に触れるという体験は味わえた。

今年の大本命はナンバーガール電気グルーヴだったけど、Instagramの方で熱弁したのでここでは割愛。

EDMやクラブミュージックが少なかったが、HIPHOPをたくさん聞けた。

一度生で聞いたみたかったSTUTSはゲストがひっきりなしにやってくるわ、人柄も含めてよかったし、久しぶりのPUNPEEも素晴らしかったし、スケボーキングなんか復活してたのか!と感動した。

RADの野田洋次郎のソロもゆるく、カバーの1000のバイオリンやメロディーやいかれたbabyがすごくよかったり、AJICOも懐かしい曲が聞けた。ミレパレみたいな新しいグループもチェック出来たし、3日間しっかり楽しむことができた。

開催するべきだったかどうかについて

こんなに避難されるくらいならワクチン2回接種済の人に限って開催すればよかったのにとは思う。ただフェスに行くような世代にワクチンが行き渡ってないタイミングだったので、それだと来場者数が限りなく少なかったのだろう。

もしくは抗原検査を会期後にも実施してくれたらよかったのにとも思う。

国や企業と連携してアンケートやデータをとって、今後の対策の検討材料にすることは出来なかったのだろうか。強行するならするで未来につながる何かが見えると印象は違った気もする。

と、ここまで書いたところでNHKがちゃんと記事にしてくれていたので安心した。

別に誰かに文句言われたわけでもないが、私自身非難されるとしたら「県外の移動は控えろと言われている時期に移動し、不特定多数の人が集まるところに行くバカ」ということになるのだろう。全くその通り。何も言えない。言い返したいこともあるけど、回り回って誰かの迷惑になっていること、自分はいいけど他の人のことを考えていない事実に変わりはない。

なので今後は移動によって苗場や越後湯沢の人に迷惑をかけなかったか、参加した中で感染爆発になっていないか、開催したことでフジロックが守られるのかを追っていきたい。
未来があることを。