きっと乗り越えられると信じているから悲しさだけにはならないよ

我が家の家族であり、愛犬ラブがもうすぐ死にます


もし同じ病気になった飼い主さんや犬を飼っている人に

少しでも役になったらと思い書きます

暗い話なので畳みます



去年の暮に母親が見つけた脚のしこり

急に出来たものだったので不安になった母は

近所の獣医さんに看てもらい摘出してもらいました

その後またすぐにしこりが出来、どうやら癌のようだと分かりました

知り合いの獣医さんに相談したところ

癌治療に優れた大学病院を紹介してもらい

すぐに検査をしてもらえました

病院で検査した結果

血管肉腫という癌でした

癌になった以上発症を抑える他に術はなく

余命は1年と言われました

そこからは月に一度程度両親が大学病院につれていき、

血液検査、薬物投与という治療を繰り返しました

近所の動物病院とも連絡をとり、連携して看てもらっていました


病院で治療をして半年

あの子の体力がいいのか運がいいのか

数値はとても良く、がん細胞が増えることもなく

先生ですら「こんなにいい数値を見たのははじめてだ」と言うくらい

元気で食い意地がはってました

走り回るし吠えるし態度はでかい

「ほんとに癌なのか、こいつは」

と思わずにはいられない

心のどこかでは「もしかするとこのまま癌が発症しないでくれるかも」

と思っていた私と両親



それが今週の月曜日

急にふらつきはじめ、歩けなくなりました

母の前で発狂するような声を出したりもしたそうです

あまりに急な出来事で動揺を隠せないまま

近所の動物病院に駆け込み、

大学病院にも連絡をとって

なぜこんなことになったのか診断を待ちました


夏場で急に暑くなったせいで脳血栓ではないかと

近所の獣医さんは言いました

(脳血栓は脳の血液の循環が悪くなって詰まったりする病気で

老犬などに発症が多く、夏場は特に多いそう

脳に異状が出るので、頭がふらついたり、歩けなくなったり

意識がなくなったり、寝たきりにあることもある)

癌の仕業というよりは脳に異状があるようだと

叫んだのはあまりにも脳が痛かったからだったのでしょう

先生は脳の血液の循環を良くする薬を打ってくれました

でも最悪寝たきりになるかもしれない

意識もはっきりしないかもしれない

もう起き上がれないかもしれない

と言われました

実際もう起き上がれないし意識も朦朧として弱々しい

それでもラブが苦しまないで済む方法があればと思いました



そして大学病院で検査をすることになりました

大学病院は行ってもすぐ処置はしてくれません

本来、推測で治療はしてはいけないらしく、

検査をして、その結果をみて治療というのが決まりらしいのです

でももうそんなことを言ってられるような状態でない

地元の獣医さんが治療してくれなければ

あの日もう死んでいたでしょう

大学病院の先生にはお世話になりっぱなしだけれど

その時だけは大きくて立派な大学病院でも

頼りにならないこともあるんだと思いました

決して大学病院が悪いんじゃないけれど

目の前で苦しんでいるラブをみて

なにもしてもらえないままは辛かった



水曜、木曜と大学病院で検査をした結果

癌が脳にあちこち転移してもう助かる見込みはないと言われました

あれだけ検査をしてきたのに

血管肉腫は脳の検査をしないのです

それはいままでの例でいくと

首から下に発症することが多く

脳に転移する例があまりないのだそう



悔しかったです

なぜならラブの様子がおかしいことを知ってても

それを「違うだろう」と気にしていなかったから

以前から頭をがくがくさせたり、ふらつくのを見ていたのです

「心配なので脳の検査もしてください」と言えればよかった

でもそれはもう今更のこと

老犬だからふらついたりするんだろうと思っていた

頭をがくがくさせていたのも眠かったからじゃなかった

いろんな後悔や悲しさでいっぱいになりました

一日いちにちを大事にしてくださいと言われたそうです



両親はとにかくラブが苦しまないでくれたらと

毎日必死に看病しています

そして昨日ラブを検体に出すという話を聞きました

今までに例がない発症の仕方や数値であったので

大学病院の先生に頼まれたそうです

正直、すぐに処置してくれない大学病院だし私はちょっと嫌でした

でもこれから同じように苦しむ動物たちの役に立つならと

両親の判断に任せました

だって私よりもずっとずっとラブを大事にしていたのは両親だから

体を切り刻まれるのは耐えられないかもしれないけれど

これはすごいことなんだと思いたい


死は必ずやってきます

遅かれ早かれ自分も死にます

もしかしたら親より自分が先に死ぬことだってある

だからこの現状を受け入れる覚悟をずっとしていました

延命治療はしない

ラブにとって苦しまない方法を優先させる

けれど必死に生きようとしている姿を見ると

ずっとずっと生きていてほしいと思うのもまたなのです

あの子が与えてくれたたくさんの幸せはかけがえのないもの

死によって悲しさだけにとらわれてしまわないように



ラブはまだ生きています

必死にがんばっています

ごはんも食べます

声をかければ反応してくれます(かすかにですが)

トイレも起き上がれないからそのままするのだけど

ずっと外でするようにしつけていたので

怒られると思うのか自分が嫌なのか

すごく嫌がり、立ち上がろうとします

そんな姿をみるとどこまでもいい子

神様を信じる程信仰深くないですが

いるのならばもうこれ以上あの子を苦しめないで欲しいです

できるだけおいしいものを食べて

そばにいてあげたいと思います




そして自分の大事な家族が病気になったら

信用出来る近所の獣医さんと

医療の技術が優れた大きな病院を

偏る事なく看てもらうようにしてください

お医者さんだって間違えたりすることもあります

何でも偏ることはよくないです

信用はしても「絶対」はないんです


それから治療には時間もお金も心にも余裕が必要です

苦労します

それ以上の愛情を持ってるなら乗り越えられます

でもそれがないなら

無責任にただかわいいからと犬を飼うようなことは

絶対にしないでください


「命」と向き合う勉強なのです